Question

江戸時代の商家では、火事が起きた際に最も大切な顧客名簿や帳簿である大福帳を守るため、避難する際に取られていた意外な行動はどれでしょうか。

ヒントを見る(三択の選択肢)ヒントを隠す

① 屋根の上に投げ上げる

② 屋根裏の隠し部屋に仕舞う

③ 井戸の中に投げ込む

Answer (ここをタップして正解と解説を確認)

③ 井戸の中に投げ込む

解説

 火事が多かった江戸の町では、お店の命とも言える大福帳を守ることが1番の重要課題でした。そこで商人は、火の手が迫ると大福帳を井戸の中に投げ込んで避難したのです。水に浸かると破れてしまいそうですが、当時の大福帳には水に強い特別な和紙と、水に溶けない特殊な墨が使われていました。さらに、コンニャクで作られた強い糊でしっかり製本されていたため、水の中に沈めても文字が消えず、破れることもありませんでした。火が収まった後に井戸から引き揚げて乾かせば、元通りに使えたのです。

今日のおまけ

 大福帳さえ無事なら、たとえお店が全焼しても、誰にいくら貸しているかがすぐに分かります。そのため、火事の後でもすぐに商売を再開することができたそうです。

もう一歩、深く知る

 この知恵は単なる防災対策にとどまらず、江戸の信用取引システムを支える大きな役割を果たしていました。江戸の商業はツケ払いが基本だったため、帳簿を失うことは全財産を失うことと同じでした。紙や墨、糊の性質を完璧に理解し、あえて水に沈めるという逆転の発想を生み出した点に、江戸の商人たちの高い危機管理能力と技術の高さが窺えます。

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